【 2005 年度 授業概要】
科   目 応用機械設計 ( Advanced Machine Design )
担当教員 中辻 武
対象学年等 機械工学科・4年D組・通年・必修・2単位
学習・教育
目標
工学系複合プログラム JABEE基準1(1)
A4-4(100%) (d)1,(d)2-a,(d)2-d,(g)
授業の概要
と方針
30回授業の前半は機械を構成する機械要素に関する設計を行う。授業の後半は潤滑を含むトライボロジーについて解説し、歯車歯面や転がり軸受における潤滑法について説明する。



1 【A4-4】  歯車の幾何学的設計を理解し、歯車歯面の強度設計ができる。
2 【A4-4】  平ベルトおよびVベルト伝動装置におけるベルト寸法や型を決定でき、周速、回転力、伝達動力の計算ができる。
3 【A4-4】  転がり軸受やすべり軸受の力学的設計ができる。接触面の油膜厚さを計算で求め、接触面の表面粗さとの関係から、機械の摩擦面の潤滑状態を予測できる。
4 【A4-4】  油膜厚さと表面粗さの関係を、歯車歯面や転がり軸受接触面に適用し、潤滑油の選定ができる。
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1 到達目標1は前期中間試験で評価する。
2 到達目標2は前期定期試験で評価する。
3 到達目標3は後期中間試験で評価する。
4 到達目標4は後期定期試験とレポートで評価する。
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4回の定期試験の平均値を90%、レポートを10%として評価する。
テキスト 「大学演習機械要素設計」吉沢武男編(裳華房)
参考書 「機械工学必携」馬場秋次郎編(三省堂)
関連科目  
履修上の
注意事項
関連科目:設計システムコース3学年の機械設計。応用機械設計は3学年の機械設計に続き、到達目標1〜3における機械要素の設計を行うとともに、到達目標3,4のトライボロジー的設計に力点を置き、一段平歯車減速機の潤滑法について説明している。これはまた、自動設計論に関連するとともに、精密さを要求される工作機械や精密加工論に連動している。

【授業計画( 応用機械設計 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 歯車の幾何設計の説明と演習問題
モジュール、歯数、ピッチ円直径、中心距離を理解し計算できる。
2 歯車の幾何設計の説明と演習問題
基礎円直径、円ピッチ、基礎円ピッチ、法線ピッチ、外径、頂隙、歯の高さを理解し、一段平歯車装置の回転数の変化や一対の大小歯車の幾何設計ができる。
3 歯車の幾何設計の説明と演習問題
標準歯車とバックラッシを持つ実際歯車の違いを理解し、実際歯車の幾何設計ができる。
4 歯車伝動の説明と演習問題
歯車のトルク伝達のメカニズムや伝達動力等を理化し計算できる。
5 歯面の力学的設計と演習問題
歯の折損に適用するルイスの式を理解し、歯の耐折損に対する設計ができる。
6 歯面の力学的設計と演習問題
同上
7 歯面の力学的設計と演習問題
歯面の疲労に適用するヘルツの式を理解し、歯の耐疲労に対する設計ができる。
8 中間試験
第7回目までの項目の試験。
9 中間試験の解答
試験の答えだけを示し解答させ、質問があれば答える形式で、正解ができるまで修正させる。授業の終わりに正解を配布する。
10 平ベルト伝動装置の説明
平ベルト伝動装置におけるベルト長さが計算できる。平ベルト伝動装置の動力伝達メカニズムを微分方程式を解くことによって理解する。
11 平ベルト伝動装置の課題1,2
ベルト伝動装置の伝達馬力が計算できる。張り側張力からベルト伝動装置の幅と厚みを求めることができる。
12 平ベルト伝動装置の課題3
装置としてのベルトの幅、厚み、長さ、回転力および伝達馬力の計算ができる。
13 Vベルト伝動装置の説明
平ベルトとVベルト伝動の相違点を説明し、Vベルトの型等について理解させる。
14 Vベルト伝動装置の課題1
ベルト1本の伝達馬力が計算できる。
15 Vベルト伝動装置の課題2
ベルトの型と長さが選定でき、ベルト1本の伝達馬力より、装置全体の伝達動力を考慮して、ベルトの本数が決定できる。
16 すべり軸受の説明と演習問題
軸受にかかる平均圧力等を理解し、ジャーナル軸受の幅と内径およびスラスト軸受のつばの枚数が計算できる。
17 転がり軸受の説明と演習問題
転がり軸受の種類を理解するとともに、軸受の寿命計算ができる。
18 機械要素のトライボロジーと演習
接触面の形状(マクロ形状;凹・凸接触や凸・凸接触)を理解し、剛体面間の流体潤滑理論による最小油膜厚さが計算できる。
19 機械要素のトライボロジーと演習
潤滑油の動粘度や粘性係数が理解でき、ある温度における動粘度を求めることができる。
20 機械要素のトライボロジーと演習
接触面形状(マクロ形状;スパイクプレッシャー下の弾性変形)を理解し、弾性流体潤滑理論による最小油膜厚さが理解できる。
21 機械要素のトライボロジーと演習
弾性流体潤滑理論による油膜厚さが計算できる。
22 機械要素のトライボロジーと演習
接触面形状(ミクロ形状;表面粗さ)と油膜厚さの関係から潤滑状態が予測できる。
23 中間試験
第10回目から第22回目までの項目の試験。
24 中間試験の解答
試験の答えだけを示し解答させ、質問があれば答える形式で、正解ができるまで修正させる。授業の終わりに正解を配布する。
25 歯車歯面のトライボロジー
歯車歯面のかみあい率、歯面の接線速度、一対二対かみあいにおける荷重分担率について理解する。
26 歯車歯面のトライボロジー
一段平歯車減速装置におけるかみあい歯面各位置でのすべり率、歯面接線速度、等価曲率半径、荷重分担率等を求め、歯面各位置でのヘルツ応力、弾性流体油膜厚さを計算する。
27 歯車歯面のトライボロジー
同上
28 歯車歯面のトライボロジー
ヘルツ応力の結果より、耐疲労設計ができているか確認する。油膜厚さと表面粗さの関係式を適用し、耐摩耗設計ができているか確認する。最終的に適切な歯面硬度と潤滑油を選定する。
29 転がり軸受のトライボロジー
転がり軸受に油膜厚さと表面粗さの関係式を適用し、適切な潤滑油を選定する。
30 減速機のトライボロジー
第26回目から第30回目までの内容をレポートにまとめ考察を加え、一段平歯車減速機として耐疲労、耐摩耗設計ができているか確認するとともに、適切な潤滑油が選定できたかどうか確認する。


中間試験と定期試験を実施する。