【 2005 年度 授業概要】
科   目 機械実習 ( Laboratory Work in Mechanical Engineering )
担当教員 高崎 正之,杉森 一興,森本 義則
対象学年等 機械工学科・3年D組・前期・必修・1単位
学習・教育
目標
工学系複合プログラム JABEE基準1(1)
授業の概要
と方針
自由度4の垂直多関節ロボットの製作,加工図面に従って,ロボットシステムの部品加工,手仕上げ組立製作を通して生産計画,ジグの利用及び最適加工条件,加工精度と組立精度等について総合的に学習させることを目的とする。



1 ロボットの運動機構の基礎を理解する。
2 モータと機構の伝動機構としての平歯車,傘歯車,チェーンとラダーホイールの伝動を理解できる。
3 NCフライス盤を用いて加工図面のプログラムを組むことができる。
4 旋盤あるいは立フライスのワークあるいは工具の回転速度,送り速度を材料の特性,工具種類,加工形状によって自ら設定ができる。
5 ジグの利用により位置決めあるいはワークの固定が容易になることを理解する。
6 組立時の不具合がある場合は手仕上げにより調整して可能であることを体験する。さらに加工精度の重要性を理解する。
7 チェーンとホイール,歯車と歯車の遊びがシステムの位置決め誤差の原因となる。これの除去する考案を理解し,これを他に利用することができる。
8 空気圧を利用したピストンの動きでハンドの指の開閉用リンク機構を理解できる。また,圧縮空気圧で負圧を作るエジェクタ機能を理解する。
9 モータの正転,逆転運動を6Pのトグルスイッチにより可能であることを理解し,ハンドの回転,旋回,アームの昇降,ロボット胴体(主柱)の回転を実現するコントローラボックス内の回路構成を理解できる。
10 製作工程図面,加工条件,加工注意点を記録し,報告書にまとめることができる。












1 レポートにロボットの伝動機構を書かせそれを評価する。
2 上記に同じ。
3 レポートにプログラムを書かせ,それによって加工が終了したことをもって評価する。
4 加工図面をレポートに添付し、さらに加工手順,加工条件を明記させ,このレポートにより評価する。
5 加工部品の完了により評価する。
6 組み立て完成度により評価する。
7 アーム,ハンドの動作試験により,その完成度を評価する。
8 指の開閉試験を行い,正常に把持力と指の開動作の完成度により評価する。
9 各関節軸が正常に動作するかの試験によりこれを評価する。
10 レポートの内容によりこれを評価する。




ロボットの主要機構の組み立て完成度と報告書の評価を70%,出席態度の評価30%として,総合評価する。
テキスト ロボットの構造図,設計図 神戸高専学生指導用プリント
参考書 機械工作法:平井三友(コロナ社)
関連科目  
履修上の
注意事項
もの作り教育としての実習,加工法の座学として機械工作法があり,理論と実学で技術を習得させる。

【授業計画( 機械実習 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 製作するロボットの概要,運動機構の説明
概要説明のプリントの内容を理解する.
2 駆動方式の説明
コントロールボックスからモータまでの回路と歯車,チェーン等の伝動機構を理解する.
3 班分けを行う.加工分担,工具貸し出し係,加工図面係そして班責任者を決定する.
各班の部品を加工開始する. 機械の利用に重復予約を避けるため使用機械を決定する.
4 各種部品加工
使用したい機械の予約決定をする.加工方法において不十分な知識を作業開始前に指導し,安全に作業ができるように注意する.
5 上記テーマに同じ
上記内容に同じ
6 上記テーマに同じ
上記内容に同じ
7 上記テーマに同じ
上記内容に同じ
8 上記テーマに同じ
上記内容に同じ
9 上記テーマに同じ
上記内容に同じ
10 組立開始と制御箱の電気回路製作
組立と電気回路班に分かれて製作する.
11 組立不具合調整
組立不具合があれば再加工も含めて,調整する.
12 上記テーマに同じ
上記内容に同じ
13 モータの取り付け
モータを機構部に取り付け動作確認
14 コントロールボックスとの接続
リモートスイッチでモータ回転方向とトグルスイッチの方向が正常であるか結線確認.
15 ハンド開閉確認
圧縮空気をバルブに接続して,エジェクタの負圧と正圧により,指の開閉とアームの昇降が実現しているか確認する.1週間後に作業担当部分,加工した部分,実習で学んだ技術をまとめ報告書として提出する.


中間試験,定期試験は実施しない.