科 目 | 日本史 ( Japanese History ) | |||
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担当教員 | 福田 敬子 | |||
対象学年等 | 電気工学科・5年・通年・選択・2単位 | |||
学習・教育 目標 |
工学系複合プログラム | JABEE基準1(1) | ||
C3(100%) | (a),(b) | |||
授業の概要 と方針 |
戦後60年を迎える。戦争体験の風化が進む中、日本に課せられた課題が多い。今の若者にとって「よく理解できない。だが、知らなければならない。」ことの一つが、十五年戦争及びアジア・太平洋戦争であろう。日本・アジア・連合国を悲惨な状況においこんだ、これらの戦争がなぜ起きたかを学ぶ。日本の転換期といわれている今日をどのように進むんでゆけばよいかを一緒に考えていきたい。 | |||
到 達 目 標 |
1 | 【C3】 日本が大韓帝国を植民地にした概略をみて、今の朝鮮半島情勢を考える。 | 2 | 【C3】 第一次世界大戦で戦争の悲惨さを経験した世界がとった表向きの行為と実態を見る。 | 3 | 【C3】 第一次世界大戦後の日本の世界的地位・雰囲気を知り、現在と対比する。 | 4 | 【C3】 十五年戦争へと駆り立てた国内の不況・恐慌を具体的に見る。 | 5 | 【C3】 中国の当時の政治状況をみて、日本はどのように侵略していったかを知る。 | 6 | 【C3】 日本が第二次世界大戦とどのように関わりをもっていったかを知る。 | 7 | 【C3】 現在の日本および世界の変化に目をむける。 | 8 | 9 | 10 |
評 価 方 法 と 基 準 |
到 達 目 標 毎 |
1 | 日本が大韓帝国を植民地にした概略をみて、今の朝鮮半島情勢の考察を、定期試験で評価する。 | |
2 | 第一次世界大戦で戦争の悲惨さを経験した世界がとった表向きの行為と実態の把握を、定期試験で評価する。 | |||
3 | 第一次世界大戦後の日本の世界的地位・雰囲気を知り、現在の日本との対比を、定期試験で評価する。 | |||
4 | 十五年戦争へと駆り立てた国内の不況・恐慌を具体的に知ることを、定期試験で評価する。 | |||
5 | 中国の当時の政治状況をみて、日本が侵略していく様子を知ることを、定期試験で評価する。 | |||
6 | 日本が第二次世界大戦とどのように関わりをもって、戦争拡大の道を歩んだかを知ることを、定期試験で評価する。 | |||
7 | 現在の日本および世界の変化に目をむける事は、時事問題として、定期試験で評価する。 | |||
8 | ||||
9 | ||||
10 | ||||
総 合 評 価 |
到達目標1〜7は試験成績で評価する(100%)。 | |||
テキスト | ノート講義(適宜、史料プリント配布) |
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参考書 | 「昭和史」遠山茂樹・今井清一・藤原彰(岩波新書) 「太平洋戦争(上・下)」小島襄(中公新書) |
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関連科目 | ||||
履修上の 注意事項 |
週 | 上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など) |
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1 | ビデオ「20年前の日本」 |
5年の学生が生まれた年のニュースを知る。学生は知らない場合がほとんどであるが、教師もこの時代に彼等が生まれたことを実感し、授業を進める上の参考とする。 | |
2 | 第一次世界大戦までの領土と主な条約(1) |
ペリー来航以来の諸外国との条約や、日本の意志で領土が決定されていく様子を見る。特に朝鮮を併合する過程に重点をおく。 | |
3 | 第一次世界大戦までの領土と主な条約(2) |
ペリー来航以来の諸外国との条約や、日本の意志で領土が決定されていく様子を見る。特に朝鮮を併合する過程に重点をおく。 | |
4 | 第一次世界大戦の性格 |
帝国主義戦争といわれる第一次世界大戦参戦国の同盟関係や対立点を知っておく。 | |
5 | 第一次世界大戦と日本 |
第一次世界大戦に参戦しなくてもよかった日本が、参戦する経緯を知り、中国大陸に出兵した意味を考える。 | |
6 | シベリア出兵と米騒動 |
第一次世界大戦中にロシア革命がおこり、干渉戦争の中心を日本が担い、シベリア出兵を行い、国内では米騒動が起きたことを理解する。 | |
7 | パリ講話会議 |
敗戦国ドイツ・オーストリア・ブルガリア・トルコと、連合国との間に結ばれた講話条約を知り、ヨーロッパにしか適用されなかって民族自決の実態を知る。 | |
8 | ヴェルサイユ体制の性格 |
ヴェルサイユ体制と呼ばれた世界秩序の内容を知り、第一次世界大戦後の日本の国際地位向上を、現在との対比で考える。 | |
9 | 三・一事件と五・四運動 |
民族自決が適用されなかったアジア諸国の内、日本が植民地とした朝鮮や、日本が利権を得た中国でおきた抵抗運動を知る。 | |
10 | ワシントン会議 |
ヴェルサイユ体制で日本がえた太平洋・東アジア地域の利権を牽制する目的で、アメリカが主導して開いた会議の内容を知る。また、海軍軍縮会議が開かれた意味を考える。 | |
11 | 大正デモクラシー |
第一次世界大戦後の世界的な平和主義・自由主義的雰囲気の中で、日本では吉野作造の民本主義や美濃部達吉の天皇機関説を中心に、大正デモクラシーの運動が起きるが、その内容や目標を知る。 | |
12 | 原敬内閣の出現 |
米騒動で倒れた寺内正毅内閣のあと、本格的な政党内閣の出現をみるが、平民宰相といわれた原敬内閣は、平民にその政治基盤をおくものではなかった事を知る。 | |
13 | 関東大震災と不法弾圧事件 |
関東大震災の被害の実態を知り、その騒動の中で、4つの不法弾圧事件がおきたことを知る。 | |
14 | 国体の魔術 |
「天皇制」という国体が、非宗教的宗教として、当時はどのような威力を発揮したかを知る。 | |
15 | 普通選挙法と治安維持法 |
護憲三派内閣により、普通選挙法が制定されるが、その前に、思想そのものが取締対象となる治安維持法を成立させたことや、任期満了まで普通選挙法が実施されなかったことを知る。 | |
16 | 中国情勢の変化(1) |
日本の侵略対象となった中国が、どのような政治状況であったか、1911年の辛亥革命から1928年の北伐の完成まで、その概略を見る。 | |
17 | 中国情勢の変化(2) |
日本の侵略対象となった中国が、どのような政治状況であったか、1911年の辛亥革命から1928年の北伐の完成まで、その概略を見る。 | |
18 | 金融恐慌 |
昭和は初めより、暗い時代で始まった。金融恐慌とは何かを知る。金融恐慌をめぐり、外交政策の対立による政党の駆け引きや、枢密院の動きをを知る。 | |
19 | 田中義一内閣(政友会) |
高橋是清蔵相のもとで、金融恐慌を乗り切った田中内閣は積極外交を行い、北伐中の中国に権益保持のため、3度に渡って山東出兵を行った。 | |
20 | 浜口雄幸内閣(民政党) |
張作霖爆殺事件で、天皇の不信をかって田中内閣は退陣し、浜口内閣は、井上準之介蔵相のもとで懸案だった金解禁政策を1930年1月に実施した。 | |
21 | 大恐慌・昭和恐慌と統帥権干犯問題 |
1929年10月24日に始まる大恐慌は、金解禁政策をとる日本に、大不況をもたらした。統帥権干犯問題がおき、浜口首相は暗殺され、右翼・軍部が発言権をましてゆく。 | |
22 | 十五年戦争(満州事変)の勃発 |
柳条湖事件をおこし、若槻首相の不拡大方針にもかかわらず、軍部の独走で、満州を制圧する。5.15事件で犬養毅首相が暗殺された後、斉藤実内閣は満州国を独立国と認めた。 | |
23 | ビデオ「張学良は語る」 |
張作霖の息子、張学良の語ったビデオを見る。満州事変を張学良はどのようにとらえていたか。張学良はなぜ西安事件をおこしたか。中国の歴史の転換点となった西安事件の内容を知る。 | |
24 | 国際連盟の脱退 |
リットン調査団の妥協的な報告書にもかかわらず、日本が国際連盟を脱退し、国際社会から孤立してゆく過程をみる。 | |
25 | 五・一五事件と二・二六事件 |
二つの事件はよく対比されるが、1932年の五・一五事件と、1936年の二・二六事件の大きな違いを見る。 | |
26 | ファシズムの進展 |
滝川事件・天皇機関説問題をはじめとする学問・思想への弾圧、二・二六事件以降の軍部の統制確立など、全体主義・国家主義・軍国主義への傾斜を見る。 | |
27 | 蘆溝橋事件(日中戦争)の勃発 |
1937年の蘆溝橋事件をきっかけに、宣戦布告なき泥沼の戦いといわれる日中戦争へ入っていく過程を、近衛声明などを通して見てゆく。 | |
28 | 第二次世界大戦と日本 |
1939年9月1日、第二次世界大戦が始まった時、日本はソ連と交戦中であり、欧州大戦不介入の方針であった。それが、1940年9月に日独伊三国同盟を結ぶにいたる過程を見る。 | |
29 | アジア・太平洋戦争の開始 |
1941年4月、険悪化した日米関係の打開のため日米交渉が行われるが、戦争回避はできず、12月8日米英に宣戦布告し、アジア・太平洋戦争が始まった。 | |
30 | 敗戦 |
戦時中の日本国内の様子や、戦況を概観し、1942年6月のミッドウェー海戦以後の日本軍の悲惨な撤退・全滅の様子をみる。当時の国民には真実が知らされず、戦意高揚のための報道のみ行われた。戦争は始まると途中で止めることは難しい。戦争をおこさない努力が大切である。 | |
備 考 |
定期試験を実施する。 |