【 2005 年度 授業概要】
科   目 電気回路II ( Electric Circuit II )
担当教員 津吉 彰
対象学年等 電気工学科・3年・通年・必修・2単位
学習・教育
目標
工学系複合プログラム JABEE基準1(1)
授業の概要
と方針
交流回路の解析の基礎となるフェーザ法を用いた解析法を学び,交流回路の解析を容易にすることを目指す。また回路網の解析を可能とするため,各種の回路方程式を学ぶ。回路方程式をたてる過程で必要となる回路の簡単化のため,テブナンの定理などの回路の諸定理を学ぶ。実験で必要となるため,3相回路についても学ぶ。



1 インピーダンスの計算ができる。
2 フェーザ法と時間関数の変換が理解できる。
3 交流回路をフェーザ法で解析できる。
4 回路の基礎であるキルヒホッフの法則を理解する。
5 回路の定理を駆使し,回路の簡単化ができる。
6 回路方程式の導入のためのグラフ理論が理解できる。
7 回路方程式による回路解析ができる。
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1 与えられた回路のインピーダンスの計算ができ,極座標表示に変換できる事を小テスト,定期試験で評価する。基礎的な問題のほぼ70%以上の正解を基準とする。
2 交流の波高値,実効値の区別をしながら,時間関数とフェーザ法との変換が実施できる事を小テスト,定期試験で評価する。基礎的な問題のほぼ70%以上の正解を基準とする。
3 与えられた交流回路について,フェーザ法を用いた実効値解析ができる事を小テスト,定期試験で評価する。基礎的な問題のほぼ70%以上の正解を基準とする。
4 与えられた回路について,KVL,KCLの立式ができる事を小テスト,定期試験で評価する。基礎的な問題のほぼ70%以上の正解を基準とする。
5 具体的な回路について,回路の簡単化ができ,等価回路が求められる事を小テスト,定期試験で評価する。基礎的な問題のほぼ70%以上の正解を基準とする。
6 簡単な回路について基本閉路,基本カットセットを求められる事を小テスト,定期試験で評価する。基礎的な問題のほぼ70%以上の正解を基準とする。
7 簡単な回路について回路方程式による解析ができる事を小テスト,定期試験で評価する。基礎的な問題のほぼ70%以上の正解を基準とする。
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授業中の小テストを30%,各試験の合計を70%として判定する。 各試験は前期中間50:前期末75:後期中間75:学年末試験100点満点で換算する。
テキスト 「電気回路ノート」:森真作(コロナ社)
参考書 「電気・電子回路計算演習」:藤村安志(誠文堂新光社)
関連科目  
履修上の
注意事項
2年生の電気回路I,電気数学の履修,修得を前提としているので,未修得の学生は再評価を早めに受けることを薦める。両科目の内容を利用して講義が進められる。

【授業計画( 電気回路II )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 インピーダンス計算の復習
キャパシタンス,インダクタンス,抵抗の直並列の計算について演習を行う
2 交流理論の復習
インピーダンスを用いて電流電圧を計算し,力率を用い,電力を計算する
3 フェーザの計算
複素数の取り扱いと交流計算への応用について説明する。複素数の極座標表示から交流回路のフェーザーを使用した解析法について説明する
4 フェーザの計算
フェーザー解析を用いた交流回路の解析のため,インピーダンスを含めたフェーザーの取り扱いについて演習する
5 フェーザ法による解析演習
フェーザー解析を用いた交流回路の解析について演習する
6 複素電力の計算
電力の計算方法について,フェーザーからの計算方法を学ぶ
7 中間試験
交流回路の内容について試験を実施する。
8 三相回路
平衡三相回路を中心に解析方法について学ぶ
9 回路の定理(1)
テブナンの定理などについて学ぶ
10 回路の定理
相反定理について学ぶ
11 演習,小テスト
回路の定理について演習を行い,小テストを実施する。
12 グラフ理論
枝,節点,木,基本閉路,基本カットセットについて学び,演習する
13 節点方程式
KCLより節点方程式の導出方法について学ぶ
14 網路方程式,閉路方程式
KVLより網路方程式,閉路方程式について学ぶ
15 定期試験に向けた復習,
交流回路解析,回路方程式について出題と同レベルの演習を通じ,学生に問題のレベルを提示する。
16 定期試験解説,カットセット方程式
定期試験を解説すると共にグラフ理論を復習しながら,カットセット方程式の立て方を学ぶ
17 カットセット方程式
カットセット方程式について,演習する。節点方程式と比較する。
18 回路方程式演習
回路方程式の各手法を比較整理し,演習問題を解く
19 小テスト
回路方程式の各手法について小テストで習熟度を確認する。
20 回路の変換,逆行列の計算
回路方程式を立てやすいように回路を変換する。逆行列の求め方を確認する
21 復習(回路方程式)
前回の内容を生かし演習問題を解く。
22 中間試験
交流回路,回路方程式,回路の定理について出題する。
23 中間試験解説,交流回路解析(復習)
中間試験を解説すると共に,到達度に応じ,弱点部を復習する。
24 回路方程式復習
相互インダクタンスを含んだ場合などより複雑な回路方程式に取り組む。
25 交流回路解析(復習)
到達度に応じ,弱点部を復習する。
26 ひずみ波の計算
交流の歪波の計算を行う。また到達度に応じ,弱点部を復習する。
27 Y-Δ変換,三相回路の復習
Y-Δ変換などを用いた三相回路の解析上の工夫を学ぶと共に,三相回路の復習をする。
28 電力の計算(復習)
電力にターゲットを絞り,供給電力最大の法則,複素電力,三相回路の電力などについて復習する。
29 小テスト
先週の内容について小テストで習熟度を確認する。
30 全範囲復習
到達度に応じ,弱点部を復習する。


中間試験,定期試験を実施する。