科 目 | 国語 ( Japanese Language and Literature ) | |||
---|---|---|---|---|
担当教員 | 吉川 敏郎 | |||
対象学年等 | 電気工学科・2年・通年・必修・3単位 | |||
学習・教育 目標 |
工学系複合プログラム | JABEE基準1(1) | ||
− | − | |||
授業の概要 と方針 |
1年次に引き続き、新課程の国語総合の教科書を使用し、様々な作品に触れることで、読解・表現・理解の領域において、国語の基礎・基本の確実な定着を図るとともに、豊かな言語感覚の育成に努める。とりわけ、目的に応じて的確に読み取る能力や読書に親しむ態度を育てるとともに、論理的に意見を述べる能力の向上に重きを置く。 | |||
到 達 目 標 |
1 | 語彙を豊かにする。 | 2 | 目的に応じて的確に読み取る能力を身につける。 | 3 | 作品の読解を通して、自分の考えを持つ。 | 4 | 様々な修辞法を身につける。 | 5 | 調査・観察したことを、正確に報告する表現力をつける。 | 6 | 文語のきまりや、訓読のきまりを理解する。 | 7 | 日本文化や伝統に対する認識を深める。 | 8 | 9 | 10 |
評 価 方 法 と 基 準 |
到 達 目 標 毎 |
1 | 常用漢字の読みになれ、主な常用漢字を書くことができるかを四回の試験で評価する。 | |
2 | 評論文や論説文の論旨の展開や指示語等が正確に把握できているかどうかを、定期試験と後期中間試験で評価する。 | |||
3 | 小説に登場する人物の心理や生き方を正確に把握できているかどうかを前期中間と定期試験で評価するとともに、小説に対する意見や感想を文章にまとめさせて、それを評価する。 | |||
4 | 詩・短歌・俳句に関するきまりと、象徴表現・比喩表現等固有の表現法が理解できているかどうかを定期試験で評価する。 | |||
5 | 論理的な文章の書き方を作品の読解を通して習熟させるとともに、それが実践的に活用できるかいなかを、課題を与えてレポートを提出させることで評価する。 | |||
6 | 古文の基本的な文法事項の理解、とりわけ助動詞・助詞の適切な現代語訳ができているか、敬語表現が理解できているか、漢文に関しては訓読法に基づいて長文を正確に書き下し文に直せるか等を四回の試験で評価する。 | |||
7 | 古文・漢文の作品の歴史的背景、文学史的位置づけを理解させるとともに、読解を通して伝統的なものの見方や考え方の理解が深まったかを四回の試験で評価する。 | |||
8 | ||||
9 | ||||
10 | ||||
総 合 評 価 |
原則として試験成績100%、ただし課題・レポートの内容や提出状況により試験成績より、減点・加点する。その場合は必ず事前に具体的な指示をする。 | |||
テキスト | 「新編国語総合」 (明治書院) |
|||
参考書 | 「現代国語例解辞典」 (小学館) |
|||
関連科目 | ||||
履修上の 注意事項 |
一年次で学習した表現・読解・理解の領域に関しての基礎的な知識を確認しながら、それをいかに活用できるかということに重点をおいて指導していく。 |
週 | 上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など) |
---|---|
1 | 随想文を読む ・ 軍記物語を読む |
「子供の問い」の全文を通読する。 難解な常用漢字の読みの指導と主な常用漢字の習得を指示する。新出の難解な語句の意味を説明する。全体の文章構成を理解させる。「平家物語」を歴史的仮名遣いに留意しながら全文を通読する。作品の時代背景・歴史上の人物に対する理解を深める。 | |
2 | 随想文を読む ・ 軍記物語を読む |
作品の展開にしたがって、個々の文の指示内容、表現上の特徴等を設問形式で学生に習熟させる。現代語と古語の違いを理解させながら、難解な語句の意味について説明する。 | |
3 | 随想文を読む ・ 軍記物語を読む |
作品の要旨を理解させ、筆者の主張を読み取るとともに、分からないことを問いかけることの大切さを教える。付属語である助動詞・助詞の適切な現代語訳を文意に沿ってできるように指導する。 | |
4 | 小説を読む ・ 軍記物語を読む |
春は夜汽車の窓から」の全文を通読する。難解な常用漢字の読みの指導と主な常用漢字の習得を指示する。新出の難解な語句の意味を説明する。全体の文章構成を理解させる。敬語表現の理解を通して、登場人物の人間関係を正確に把握できるようにする。 | |
5 | 小説を読む ・ 軍記物語を読む |
作品の構成や筋の展開を把握させ、登場人物の果たす役割を理解させる。「平家物語」の章段全体を助動詞・助詞に留意しながら現代語訳できるように指導する。 | |
6 | 小説を読む ・ 軍記物語を読む |
登場人物の描写や発言から、心理の動きを読み取れるように指導する。「平家物語」に描かれた自然描写や人物描写を通して、当時の人々の美意識や人生観を読み取る。 | |
7 | 小説を読む ・ 軍記物語を読む |
この小説の持つ面白さを、作者の現代生活におけるものの見方・感じ方・考え方を通して理解させる。「平家物語」固有の語り物の表現や言葉遣いが理解できるように指導する。物語の中で源氏方と平家方との描かれ方の違いやこの作品の面白さが実感できるように指導する。 | |
8 | 中間試験 |
9 | 評論文を読む ・ 歌物語を読む |
「視覚の解剖学」の全文を通読する。 難解な常用漢字の読みの指導と主な常用漢字の習得を指示する。新出の難解な語句の意味を説明する。全体の文章構成を理解させる。「伊勢物語」を読む。平安時代に書かれた歌物語の特徴について解説する。 | |
10 | 評論文を読む ・ 歌物語を読む |
評論文特有の論理の展開と明快な表現を個々の文を解説していく中で理解させる。平安時代の古語についての意味や用法について説明する。 | |
11 | 評論文を読む ・ 歌物語を読む |
「視覚」をめぐる筆者の科学的な考察の姿勢を学ばせ、それをいかに表現しているかを読み取らせる。敬語表現についての復習をし、その上でこの作品の登場人物の人間関係を整理し、物語り全体の流れをつかめるように指導する。 | |
12 | 評論文を読む ・ 歌物語を読む |
筆者の物事の本質に迫る思考のあり方を理解させる。物語の中で詠まれた和歌を題材にして、枕詞・掛詞・序詞・縁語等の和歌の修辞に関する理解を深める。 | |
13 | 詩を鑑賞する ・ 歌物語を読む |
音読を通して詩の韻律を実感させる。詩が作られた背景や、作者の作風、文学史的位置づけ等を教える。「伊勢物語」全体の話の展開とその中に挿入された和歌との有機的な関連を歌意の説明を通して理解させる。 | |
14 | 詩を鑑賞する ・ 歌物語を読む |
詩の表現上の特質を、比喩表現・象徴表現等の理解を通して学ばせる。「伊勢物語」の章段全体を敬語表現に留意させながら現代語訳させる。 | |
15 | 詩を鑑賞する ・ 歌物語を読む |
詩語の解説を通して、詩人が表現しようとした世界に触れさせる。詩特有のさまざまなものの見方や感じ方を教え、感受性を養う。 「伊勢物語」全体に流れる、伝統的な文化や美意識「雅」の世界を登場人物の生き方や和歌の鑑賞を通して理解させる。 | |
16 | 評論文を読む ・ 漢文を読む |
「到来する記憶」の全文を通読する。難解な常用漢字の読みの指導と主な常用漢字の習得を指示する。新出の難解な語句の意味を説明する。全体の文章構成を理解させる。漢文・中国の「逸話」を読む。訓読のきまりにしたがって、正しく読めるように指導する。 | |
17 | 評論文を読む ・ 漢文を読む |
評論文特有の論理の展開と明快な表現を個々の文を解説していく中で理解させる。特に指示語の指示内容を的確に指摘できる正確な読みを指導する。難解な返り点・再読文字・置き字等の用法を繰り返し指導し、習熟させる。 | |
18 | 評論文を読む ・ 漢文を読む |
筆者の論旨を正確に把握し、「記憶」についての理解を深める。「逸話」全文を書き下し文に改めさせ、その上で難解な語句を説明し全体の文意が取れるように指導する | |
19 | 評論文を読む ・ 漢文を読む |
筆者の述べる人生における「経験」の意味を理解させ、自らの考えと照らしあわせてその意味について考えさせる。個々の逸話の理解を通し、日本文化の中でその「逸話」がどのような形で根付いて言ったかを考えさせる。 | |
20 | 短歌を鑑賞する ・ 漢詩を読む |
短歌十六首のうち、主要な歌人と作品を抜粋して、歌人の文学史的位置づけ・作歌事情・時代背景等について解説する。中国の近体詩のきまり(絶句・律詩等)について説明する。 | |
21 | 短歌を鑑賞する ・ 漢詩を読む |
短歌固有の句切れや比喩表現、余意と余情などについての解説をし、歌意の理解を深める。漢詩の形式や押韻等に留意しながら全文を書き下し文に改める。 | |
22 | 短歌を鑑賞する ・ 漢詩を読む |
歌語の解説を通して、短歌の描かれた世界を理解させ、感受性を養う。漢詩の難解な語句の解説を踏まえて、漢詩の世界を味わうように指導する。漢詩が日本文化に及ぼした影響についても言及する。 | |
23 | 中間試験 |
24 | 小説を読む ・ 和歌と俳諧を鑑賞する |
近代小説「蠅」の全文を通読する。難解な常用漢字の読みの指導と主な常用漢字の習得を指示する。近代固有の難解な語句の意味を説明する。全体の文章構成を理解させる。万葉集の時代の和歌の特徴について説明し、その時代と作者についての理解を深めさせる。 | |
25 | 小説を読む ・ 和歌を鑑賞する |
小説の個々の表現の解説を通して、作者の作風と文学史的な位置づけについても触れる。万葉集の和歌を何首か取り上げ、難解な語句の説明・万葉集固有の修辞法について説明する。 | |
26 | 小説を読む ・ 和歌を鑑賞する |
登場人物の描写や発言から、性格や心情を読み取れるように指導する。取り上げた和歌の歌意を理解させるとともに、描かれた情景がイメージできるように指導する。 | |
27 | 小説を読む ・ 和歌を鑑賞する |
登場人物の生き方を追体験しながら、様々な状況の中で生きる人間の認識を深めさせる。古今和歌集の時代の和歌の特徴について説明し、その時代と作者についての理解を深めさせる。 | |
28 | 俳句を鑑賞する ・ 和歌を鑑賞する |
俳句十六句のうち、主要な俳人と作品を抜粋し 俳人の文学史的位置づけ・句作事情・時代背景等について解説する。古今集の和歌を何首か取り上げ、難解な語句の説明・古今集固有の修辞法について説明する。 | |
29 | 俳句を鑑賞する ・ 和歌を鑑賞する |
作品の鑑賞を通して、俳句固有のきまり、季語・切れ字・季重ね等についての解説を行う。それとともに自由律俳句に関する理解もできるように指導する。新古今集の和歌を何首か取り上げ、難解な語句の説明・新古今集固有の修辞法(本歌取り)について説明する。 | |
30 | 俳句を鑑賞する ・ 和歌を鑑賞する |
各作品の句意の解説を通して、俳人の世界に触れ、感受性を養う。万葉・古今・新古今の和歌の世界を鑑賞することを通して、日本人の心の底流にある、和歌的ものの見方、捉え方、美意識等を再認識できるように指導する。 | |
備 考 |
中間試験を実施する。 定期試験を実施する。 |