【 2005 年度 授業概要】
科   目 通信工学 ( Communication Engineering )
担当教員 藤本 健司
対象学年等 電子工学科・5年・通年・必修・2単位
学習・教育
目標
工学系複合プログラム JABEE基準1(1)
A4-4(100%) (d)1,(d)2-a,(d)2-d,(g)
授業の概要
と方針
前期は,無線電話,衛星通信装置,各種レーダーの原理,構造,機能,取り扱い方法について解説する.
後期は,ローカルエリアネットワークの構築,管理,運営に必要な基本技術についてTCP/IPプロトコルを中心に解説する.



1 【A4-4】  無線電話装置の構成,簡単な取り扱い方法を知っている。
2 【A4-4】  FM送受信機の構成,原理を理解している。
3 【A4-4】  衛星通信装置の構成,ハブ局の概略が説明できる。
4 【A4-4】  レーダの種類,原理を説明できる。
5 【A4-4】  レーダの構成,補助回路を説明できる。
6 【A4-4】  TCP/IP通信に関する基礎用語の説明ができる。
7 【A4-4】  OSI参照モデルの仕組みが説明できる。
8 【A4-4】  TCP/IP通信の仕組みが説明できる。
9 【A4-4】  IPアドレスのクラス分けとサブネットの作成ができる。
10 【A4-4】  ルータの役割について説明ができる。












1 無線電話装置の構成及び簡単な操作方法について中間試験を行い評価する。
2 FM送受信機の構成と,その内部原理についての理解を確かめるため,中間試験を行い評価する。
3 衛星通信装置の構成及び,ハブ局の概要が理解できているかどうか定期試験を行い,評価する。
4 レーダの種類や,簡単な原理について理解できているか定期試験を行い,評価する。
5 レーダの構成及び,正確な計測を行うための補助回路について定期試験を行い,評価する。
6 TCP/IP通信に関する基礎的な用語を説明できるかどうか,小テスト及び中間試験を行い評価する。
7 OSI参照モデルの仕組みが説明できるかどうか,中間試験を行い評価する。
8 現在のネットワークの主流であるTCP/IP通信の仕組みについて理解できているかどうか定期試験を行い評価する。
9 クラスフルアドレッシングやネットワークのセグメント化に関して理解できているかどうか,課題及び定期試験を行い評価する。
10 ルータの役割や仕組みについて説明できるかどうか,レポート及び定期試験を行い評価する。




4回の試験成績の平均点を70%,小テストやレポートを30%として総合評価する.但し,未提出レポートに関しては0点とみなす.
テキスト 「無線工学」(電気通信振興会)
Web教材
プリント
参考書 「無線工学I」:宇田 新太郎著,(丸善株式会社)
「ネットワークシステム構成論」:岩崎 一彦著,(コロナ社)
「インターネットワーキング技術ハンドブック第3版」:シスコシステムズ著,(ソフトバンク)
関連科目  
履修上の
注意事項
関連科目:電波工学,電波法規

【授業計画( 通信工学 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 無線電話の原理,利用形態
有線と無線の違いから始まり,無線電話の原理を説明し,実際の利用方法や利用形態について説明を行う。また,使用周波数帯についても説明する。
2 変調及び復調
通信を行う上でかかせない,各種変調方法や復調方法について簡単な回路を例に出し,説明を行う。ここでは,代表的な,AM変復調,FM変復調,PM変復調について説明する。
3 FM無線電話装置の構成
FM無線電話装置の構成を示し,その動作について説明する。その後,各回路や機器について詳しい説明を行う。
4 単信方式,複信方式及び半複信方式
単信,複信及び半複信方式についてそれぞれの方式の特徴(長所,短所)を説明する。また,実際にどのようなところで使用されているか説明する。
5 FM送信機の構成
代表的なFM送信機の構成について説明を行う。ここでは主に信号が変調器を通ってどのように変調されて送信されているかに値焦点を絞って説明を行う。
6 FM受信機の構成
第5週目に説明したFM送信機から送られてきた信号を受信するFM受信機の構成及び復調方法について構成図を使いながら説明を行う。
7 固定局又は基地局用送受信機
固定局や基地局に関する説明を行う。また,それぞれに使用されている送受信機の構成,機能について説明を行う。
8 中間試験
第1回から第7回目までの範囲において中間試験を実施する。
9 衛星通信装置の周波数
衛星通信装置に使用されている周波数(アップリンク,ダウンリンク)について,それぞれの衛星の特色や使用方法について説明を行う。
10 VSATシステム送受信装置
VSATシステムの送受信装置の構成を説明する。また宇宙空間での電波の減衰などにも触れつつ,送受信装置との対応について説明を行う。
11 VSATシステム送受信装置の取り扱い方法
簡単な送受信装置の取り扱い方法について説明する。
12 レーダーの基本原理
レーダーの基本原理,特にパルスレーダーについての説明を行う。レーダ方程式を使用し,アンテナ利得とアンテナ有効面積の関係についても説明する。
13 レーダーの機能
航海用レーダーや航空用レーダー,地中レーダー等を例に挙げながら様々なレーダーの機能について説明する。
14 レーダー受信機の付属回路
レーダー受信機についているSTC回路やFTC回路などについて,どのような働きがあるのか説明を行う。また,受信部以外のアンテナ部や,送受信切替部などについても同様に説明を行う。
15 速度計測用レーダー
ドプラの原理を利用したドプラレーダーについて,その原理や測定方法,構成について説明を行う。
16 基本的なネットワーキング
交通や郵便,そして情報など,いろいろな例をあげネットワークの定義を説明し,ネットワークの概念を学習する。
17 OSI参照モデル
ネットワークの基本モデルでもあるOSI参照モデルについて,その成り立ちや機能について学習する。
18 ローカルエリアネットワークの概要
一般的なローカルエリアネットワークの定義やそれに伴ってWANやMANについても説明を行う。
19 レイヤ1:信号と回線
レイヤ1における,信号の種類やメディアの種類について学習する。また,帯域幅の計算などを行う。
20 リピータ・ハブ,ネットワークトポロジ
レイヤ1のネットワーキングデバイスであるリピータやハブの働きについて学習する。また,ネットワークを構成する上で必要となるネットワークトポロジの概念やその構成について説明を行う。
21 レイヤ2アドレッシング
レイヤ2でMACアドレスをもちいたアドレス制御方式について学習する。IEEEを例に挙げ,MAC副層,LLC副層に関する動作や機能について説明する。
22 レイヤ2で使用される規格及び機器
IEEEに代表されるようなIEEE802.3,IEEE802.5,IEEE802.2などの規格について説明し,イーサネットなどとの違いを学習する。また,レイヤ2の機器としてスイッチとブリッジについて学習する。
23 中間試験
第16回から第22回目までの範囲において中間試験を実施する。
24 レイヤ3:インターネットプロトコル
インターネットプロトコルがどのように使用されているのか,また,割り振られているのかということや,実際の通信の仕組みについて学習を行う。
25 レイヤ3:ルーティングとルータ
ルータが最適経路の選択を行う原理について学習する。また,ルータの詳しい働きについて学習する。
26 TCP
OSI参照モデルではレイヤ4にあたる部分であり,スリーハンドシェイクなど,信頼性の高い通信を行う仕組みについて学習する。
27 UDP
現在最も使用されているUDPについて,信頼性の問題やその他の問題点や利点,及び仕組みについて学習する。
28 レイヤ5:セッション層
セッション層の主な働きについて学習する。
29 レイヤ6:プレゼンテーション層
プレゼンテーション層の主な働きについて学習する。
30 レイヤ7:アプリケーション層
アプリケーション層の主な働きについて学習する。


・中間試験を実施する。
・定期試験を実施する。