科 目 | 電気磁気学特論 ( Advanced Electromagnetism ) | |||
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担当教員 | 長澤 智明 | |||
対象学年等 | 電子工学科・5年・通年・必修・2単位 | |||
学習・教育 目標 |
工学系複合プログラム | JABEE基準1(1) | ||
A4-1(100%) | (d)1,(d)2-a,(d)2-d,(g) | |||
授業の概要 と方針 |
物理学においては、理解していない知識を増やすことより、理解することが何より大切である。電磁気学を学ぶ課程では、次から次へと新しい法則が現れるようにみえる(実はその基本法則はマクスウェル方程式だけである)。重要なことは、方程式を覚えることではなく、方程式に秘められた意味である。本授業では、その本質を見失わないように心がけ、直感的なイメージを常に意識するようにする。 | |||
到 達 目 標 |
1 | 【A4-1】 適切な単位系を用い、静的な電磁気の問題を解くことができる。 | 2 | 【A4-1】 静的でない場合の電磁気現象について説明することができる。 | 3 | 【A4-1】 マクスウェル方程式の各式の意味を説明することができる。 | 4 | 【A4-1】 マクスウェル方程式から電磁波の存在が導かれることを理解する。 | 5 | 【A4-1】 電磁波の性質について理解し、説明することができる。 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
評 価 方 法 と 基 準 |
到 達 目 標 毎 |
1 | 静的な電磁気現象が理解できているか、問題を解くことができるかを理解できているかどうかを適宜出すレポートと中間試験、定期試験で評価する。 | |
2 | 時間的に変動する、電磁場の現象を理解できているかをレポートと中間試験、定期試験で確認し評価する。 | |||
3 | マクスウェル方程式を理解しているかどうかを、レポートと中間試験、定期試験で確認し評価する。 | |||
4 | 電磁波の存在がマクスウェル方程式から導くことができるかどうかを、レポートまたは中間試験、定期試験で評価する。 | |||
5 | 電磁波の性質について、理解できているかをレポート、中間試験、定期試験で評価する。 | |||
6 | ||||
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総 合 評 価 |
4回の試験(前期中間、定期、後期中間、定期)の平均点を60%、レポートを40%として評価する。 | |||
テキスト | 「電磁気学の考え方」:砂川重信著(岩波書店) |
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参考書 | 「ファインマン物理学III 電磁気学」:宮島龍興訳(岩波書店) |
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関連科目 | ||||
履修上の 注意事項 |
自主的に予習・復習をすること。 また理解できない点は気軽に質問して欲しい。 3年次電気磁気学および4年次応用数学のベクトル解析で習ったことを用いるので、よく復習しておくこと。 |
週 | 上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など) |
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1 | 電磁気学とはどんな学問か? |
電磁気学の概要と基本法則(マクスウェル方程式)、そして近接作用の考え方について解説を行う。 | |
2 | ベクトル解析のまとめ |
ベクトル解析についてのまとめを行う。 | |
3 | 静電場 |
クーロンの法則を復習し、電場の概念を説明する。 | |
4 | ガウスの法則 |
積分形と微分形のガウスの法則を理解し、使えるようになる。 | |
5 | 静電ポテンシャル |
静電ポテンシャルとはどういうものかを理解する。また、単純な電荷分布のときの静電ポテンシャルを計算できるようになる。 | |
6 | ポアッソンの方程式 |
電荷分布から静電ポテンシャルを求めるポアッソン方程式を導入し、電気双極子のつくる静電場を求める。 | |
7 | コンデンサ |
コンデンサの性質についての解説を行い、コンデンサの静電容量や静電場のエネルギーを求められるようになる。 | |
8 | 中間試験 |
理解度を測る中間試験を行う。 | |
9 | 定常電流 |
微分形のオームの法則と、オームの法則の電子論を解説する。 | |
10 | 静磁場1 |
静磁場の基本法則である、磁場に関するガウスの法則、アンペールの法則について解説する。 | |
11 | 静磁場2 |
ビオサバールの法則の導出を行い、同法則を使えるようになる。 | |
12 | アンペールの力 |
アンペールの力について解説を行い、一様磁場中のコイルに作用する力を求める。 | |
13 | ローレンツの力 |
ローレンツの力について解説を行い、静電場、静磁場中の荷電粒子の運動を調べる。 | |
14 | 磁荷に作用する力 |
閉電流と磁気双極子の等価性について解説する。 | |
15 | 電荷保存則と変位電流 |
今までは時間的に一定の電荷分布による静電場と定常電流を扱ってきたが、ここではそれらが時間的に変動する場合の法則について学ぶ。 | |
16 | 電磁誘導 |
ファラデーの電磁誘導の法則、特に微分形のファラデーの法則を解説する。 | |
17 | 運動する導線内に発生する起電力 |
導線内の荷電粒子に働く力について解説する。 | |
18 | マックスウェルの方程式 |
ここまでの結果をまとめて、電磁気学のもっとも一般的な基本法則であるマクスウェルの方程式を提示し、吟味する。 | |
19 | エネルギー保存則 |
マックスウェルの方程式と、ローレンツの力の元でのニュートンの運動方程式からエネルギーの保存について解析する。 | |
20 | 電磁ポテンシャル |
マックスウェルの方程式を、電磁ポテンシャルを導入して、見やすい形に書き換える。さらに電磁ポテンシャルの物理的意味についての議論も与える。 | |
21 | 自由空間内の電磁波の波動方程式 |
マクスウェル方程式を自由空間内で解くことを考える。その際にあらわれう方程式といわゆる弦の波動方程式との対応について述べる。 | |
22 | 電磁波 |
自由空間内でのマクスウェル方程式を解いて、電磁波の性質について解説する。また、電磁波が存在するには変位電流が必要なことを理解する。 | |
23 | 中間試験 |
これまでの理解度を測る中間試験を実施する。 | |
24 | 電磁波のエネルギー |
電磁波のエネルギーについての解説を与える。 | |
25 | 遅延ポテンシャル |
電磁波の放射を議論する準備として、遅延ポテンシャルを導入し、解説する。 | |
26 | 電気双極子近似 |
実際に計算するときによく持ちいられる電気双極子近似を紹介する。 | |
27 | 荷電粒子の放射する電磁波1 |
荷電粒子がつくる電磁波について解説する。 | |
28 | 荷電粒子の放射する電磁波2 |
放射電磁波の性質について解析する。 | |
29 | 相対性理論1 |
特殊相対性理論と電磁気学は切っても切れない関係がある。特殊相対性理論に概要を説明する。 | |
30 | 相対性理論2 |
電磁気学と相対性理論との密接な関係を解説する。 | |
備 考 |
・中間試験を実施する。 ・定期試験を実施する。 |