【 2005 年度 授業概要】
科   目 電気磁気学I ( Electromagnetics I )
担当教員 橋本 好幸
対象学年等 電子工学科・3年・通年・必修・2単位
学習・教育
目標
工学系複合プログラム JABEE基準1(1)
授業の概要
と方針
真空中の静電界,誘電体中の静電界についてベクトル表示による関係式の導出を行うとともに,関係する種々の法則について理解する.また,電流や電気抵抗の概念とその取り扱い方を学ぶ.



1 ベクトルとスカラーとの区別ができ,各座標系におけるベクトル演算ができる。
2 クーロンの法則を用いて,電荷間に働く力や電界が計算できる。
3 ガウスの定理の微分形と積分形について理解し,簡単な静電界の問題に適応できる。
4 ラプラスまたはポアソンの方程式を理解し,簡単な静電界の問題に適応できる。
5 誘電体や導体の性質を理解し,静電界の諸定理が適応できるようになる。
6 電気影像法を用いて,電界が計算できる。
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1 授業中の質疑応答,小テスト,レポートおよび前期中間試験により評価する。
2 小テスト,レポートおよび前期中間試験により評価する。
3 小テスト,レポートおよび前期中間試験により評価する。
4 小テスト,レポートおよび前期定期試験により評価する。
5 小テスト,レポートおよび後期中間試験により評価する。
6 小テスト,レポートおよび後期定期試験により評価する。
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評価は,中間試験および定期試験の成績を70%,授業中に実施する小テストおよびレポートの成績を30%として評価する.
テキスト 「電気学会大学講座 電磁気学」: 山田直平,桂井 誠(電気学会)
参考書 「エレクトロニクスのための電気磁気学例題演習」:松森徳衛(コロナ社)
「基礎電磁気学 改訂版」:山口昌一郎著(電気学会)
「ベクトル電磁気学の基礎と演習」:金古喜代治(学献社)
「詳解 電気磁気学例題演習」: 山口勝也((コロナ社)
関連科目 関連科目:数学I,数学II,物理,電気磁気学II
履修上の
注意事項
授業ではベクトル解析を中心に進めていく.履修前に,微分・積分およびベクトルについて十分に理解しておくこと.また,物理において電気磁気学の基礎的な定理について理解しておくことが望ましい.

【授業計画( 電気磁気学I )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 電気磁気学の概略
電気磁気学では何を学習するかを理解するとともに,電気磁気学で使用する単位系について修得する.
2 ベクトル演算1
物質量であるスカラとベクトルの違いを理解し,ベクトルの和と差,ベクトルの内積・外積が計算できるようになること.
3 ベクトル演算2
ベクトル関数の微分・編微分の概念を理解し,簡単なベクトル関数の微分ができるようになること.
4 電荷とクーロンの法則
電荷,物質の電気的性質,クーロンの法則,点電荷による電界について解説する.電荷によるクーロン力,電界が計算できるようになること.
5 電界と電気力線
電界によって生じる電界おいび電気力線について解説する.電界とは何か,電気力線とは何かが説明できるようになること.
6 電位と電位勾配
電位,電位差,電位勾配について理解する.また,電位勾配のベクトル的取り扱いについて学習し,電界を計算できるようになる.
7 演習1
第1〜6週目で学習した内容に関する演習問題を配布する.演習問題を解きながら,各人の習得の確認を行う.
8 中間試験
 
9 ガウスの定理
ガウスの定理について解説する.ガウスの定理が説明できるようになること.
10 ラプラスとポアソンの方程式
ラプラスとポアソンの方程式について理解し,簡単なラプラシアンが計算できるようになる.
11 球の電界と電位
帯電した球によって生じる電位と電界が計算できるようになる.
12 無限円筒と無限平面の電界
帯電した無限円筒,無限平面によって生じる電位と電界が計算できるようになる.
13 電気双極子
電気双極子について理解し,それらによる電位と電界が計算できるようになる.
14 電気二重層
電気二重層について理解し,それらによる電位と電界が計算できるようになる.
15 演習2
第9〜14週目で学習した内容に関する演習問題を配布する.演習問題を解きながら,各人の習得の確認を行う.
16 電位係数
電位係数について理解し,電位係数あ求められるようにする.
17 容量係数
容量係数について理解し,容量係数を求められるようにする.
18 導体系の有するエネルギーと導体に働く力
導体系に蓄えられるエネルギーが計算できるようになる.同様に,同体系に働く力が計算できるようになる.
19 クーロンの定理と静電容量
クーロンの定理を理解するとともに,導体表面に働く力が計算できる.静電容量,コンデンサについて理解する.
20 静電容量の計算
導体球,円筒,平行平板,平行導線の静電容量が求められるようになる.
21 コンデンサの接続と静電遮蔽
コンデンサの合成容量が求められるよになる.静電遮蔽について説明できるようになる.
22 演習3
第16〜22週目で学習した内容に関する演習問題を配布する.演習問題を解きながら,各人の習得の確認を行う.
23 中間試験
 
24 誘電体とその分極
誘電体の性質と,分極が生じる原理について理解する.
25 誘電体中の電界
誘電体中の電界が計算できるようになる.誘電体が含まれる場合の静電容量や電位が計算できるようになる.
26 誘電体の境界面における電界と電束
誘電体の境界面での電界と電束の境界条件について理解する.
27 誘電体中に蓄えられるエネルギー
誘電体中に蓄えられるエネルギーが求められる.また,誘電体を満たした平行平板コンデンサの電極間に働く力が計算できる.
28 電気影像法1
導体平面と点電荷,設置球形導体と点電荷,誘電体と点電荷について電気影像法を用いて電界を計算できるようになる.
29 電気影像法2
平等電界中にある誘電体球の電界を求めることができるようになる.
30 演習4
第22〜29週目で学習した内容に関する演習問題を配布する.演習問題を解きながら,各人の習得の確認を行う.


中間試験を実施する.
定期試験を実施する.