科 目 | 材料化学 ( Material Chemistry ) | |||
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担当教員 | 松尾 吉晃,峰重 温 | |||
対象学年等 | 応用化学科・5年・通年・必修・2単位 | |||
学習・教育 目標 |
工学系複合プログラム | JABEE基準1(1) | ||
A2(100%) | (c),(d)1 | |||
授業の概要 と方針 |
機能性材料に関する最新の話題を適宜取り上げながら,化学結合,結晶構造,電気的特性などといった無機材料の基礎的性質を中心に学習する.次にセラミックス,ガラス等種々の材料の性質や合成法や,それらの応用例を紹介して材料に対する理解を深める. | |||
到 達 目 標 |
1 | 【A2】 化学結合の種類とそれらの強さを理解できるようにする。 | 2 | 【A2】 化学結合の違いによる固体材料の電気的・物理的・化学的特性の違いを理解できるようにする。 | 3 | 【A2】 結晶構造の種類とそれらの構造を有する代表的な化合物を理解する。 | 4 | 【A2】 化学物質の物理・化学的性質の差を利用した高純度化法や、単結晶の作製法を理解する。 | 5 | 【A2】 ガラス、炭素材料の構造と物性、超伝導体並びに固体電解質の物性と用途を理解する。 | 6 | 【A2】 固体の電気・磁気的性質を利用したデバイスとそれらの作動原理について理解する。 | 7 | 8 | 9 | 10 |
評 価 方 法 と 基 準 |
到 達 目 標 毎 |
1 | 共有結合、イオン結合、金属結合、水素結合といった様々な結合の強さとそのような結合からなる材料の化学・物理的特性が理解できているか前期中間試験で判断する。 | |
2 | イオン結合性の固体の結晶構造の分類法と表記方法、また、陽・陰イオンの半径比によって配位数がどのように異なるかが理解できているかを前期中間試験で判断する。 | |||
3 | イオン結晶の代表的な結晶構造について、また共有結晶、イオン結晶、金属結晶を持つ化合物の種類とそれらの性質を理解できているかを前期期末試験で判断する | |||
4 | 物質の高純度化方法の種類と原理や単結晶の作製方法とそれらの利用例について理解できているか前期期末試験で判断する。 | |||
5 | ガラスや炭素材料の構造的特徴と応用例及び、超伝導体並びに固体電解質といった固体の電気的性質を利用したデバイスの作動原理を理解できているか後期中間試験で判断する。 | |||
6 | 太陽電池や、コンデンサ、磁石といった固体の電気・磁気的性質を利用したデバイスの作動原理とそれらに用いられる材料を理解できているか後期期末試験で判断する。 | |||
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総 合 評 価 |
到達目標1〜6の定期試験75%,学習成績25%で評価する. | |||
テキスト | 「無機材料入門」:塩川二朗著 (丸善)、及びプリント配布 |
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参考書 | 「無機材料化学」:荒川剛ら著 (三共出版) |
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関連科目 | ||||
履修上の 注意事項 |
物理化学,無機化学,量子化学の基礎的事項を理解していることが望ましい. |
週 | 上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など) |
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1 | 履修ガイダンス〜材料化学とは〜 |
身の回りでは様々な「材料」が用いられているが、「材料」にはどのようなものがあり、どのような働きをし、それらはどのようにして作られているのか?に着目し、それらを構成する物質の化学的性質とどのように関わっているかが重要である。 | |
2 | 種々の化学結合 |
イオン結合、共有結合、金属結合、水素結合の強さとその量子論的な起源を学び、それぞれの結合を有する化合物を知る。またそれらの一般的性質を理解する。 | |
3 | 原子価結合法と分子軌道法 |
共有結合の方向性がそれらを構成するオービタルによって決定されることを学ぶとともに、オービタルの混成の概念を導入して様々な分子の形を推定できるようにする。 | |
4 | 分子の極性とその他の結合 |
異分子間の結合では分子内で電荷の偏りが生じこれが分子の極性となることを学ぶ。また、配位結合、水素結合、分子間力の強さと代表的な化合物を知る。 | |
5 | 金属・半導体・絶縁体 |
化学結合の概念を固体材料へ適用することで固体の電子構造を理解する。また、それらの電子構造が電気伝導度等の物性にどのように関わっているかを理解する。 | |
6 | 無機固体の結晶構造 |
結晶の構造は空間格子を用いて表す。これらは14種類あり単位格子の軸と角とに関する制限から立方晶、正方晶、斜方晶等に分類される。ミラー指数等これらの表記方法や決定方法について理解する。 | |
7 | イオン結晶の性質 |
イオン結晶におけるイオンの配位数は正・負両イオンの半径比によって決定され、イオン結晶の安定性に大きな影響を及ぼす。 | |
8 | 中間試験 |
9 | 代表的なイオン結晶 |
イオン結晶の構造のうち岩塩型構造、塩化セシウム構造、セン亜鉛鉱型構造、ウルツ鉱型構造、ホタル石型構造、ルチル型構造を取り上げそれらの特徴と機能を理解する。 | |
10 | 共有結晶 |
ダイヤモンドや黒鉛を例として共有結晶の構造と機械的、電気的性質を理解する。 | |
11 | 金属結晶・分子結晶 |
金属結晶及び分子結晶の特徴と機械的・電気的・物理的性質をそれらの結合の特徴と電子状態から理解する。 | |
12 | 非晶質固体と格子欠陥 |
構成要素が周期的配置を持たない固体の代表例とその製法や用途について学ぶ。また、周期的配列中の構造上の乱れである欠陥の種類と制御法について理解する。 | |
13 | 材料の高純度化 |
蒸留法、イオン交換法等、沸点、イオン交換体との親和性の差といった物性の差を利用して物質を高純度化する方法とその原理について学ぶ。 | |
14 | 単結晶の作成 |
固体全体にわたって結晶の向きが一定であるため固体の基本物性を十分に発揮することができる単結晶の作製法と応用例を紹介する。 | |
15 | 超微粒子の作製と応用 |
粒子サイズが小さいため単位重量あたりの表面積が非常に大きな超微粒子の作成方法と触媒材料等への応用例を紹介する。 | |
16 | 代表的なセラミックスの構造と物性 |
産業上重要なセラミックスを幾つか例を挙げて説明し、その構造と応用例を紹介する。 | |
17 | 代表的なガラスの構造と物性 |
産業上重要なガラスを幾つか例を挙げて説明し、その構造と応用例を紹介する。 | |
18 | 光ファイバー |
ガラスの応用として重要な光ファイバーに焦点をあて、その作製法、構造、応用分野を紹介する。 | |
19 | 電気伝導性 |
物質がどのようにして電気を伝導するかを説明する。幾つかの方法により物質を分類した上で、それぞれにおける電気伝導性の発現メカニズム並びに応用例について学ぶ。 | |
20 | リニアモーターカー |
超伝導性を取り上げ、そのような性質を示す物質の構造、メカニズムを学ぶ。またその応用例としてリニアモーターカーを取り上げ、その動作原理を紹介する。 | |
21 | 燃料電池 |
イオン伝導性を取り上げ、そのような性質を示す物質の構造、メカニズムを学ぶ。またその応用例として燃料電池を取り上げ、その動作原理を紹介する。 | |
22 | リチウム電池 |
炭素材料や有機材料など種々の電気伝導性材料を組み合わせて形成されるリチウム電池を取り上げ、各構成材料の特徴や電池の動作原理について学ぶ。 | |
23 | 中間試験 |
24 | 結晶とアモルファス |
結晶とアモルファスを比較しながら構造的、物性的特徴を学ぶ。またそれぞれの特性がどのように応用にいかされているかを説明する。 | |
25 | 太陽電池 |
太陽電池を取り上げ、それに用いられる材料について学ぶ。またその動作原理を紹介する。 | |
26 | 磁性、誘電性とその起源 |
物質がどのようにして磁性あるいは誘電性を示すかを説明する。また幾つか代表的な材料を取り上げ、その発現メカニズム並びに応用例について学ぶ。 | |
27 | 磁性体メモリ |
磁性材料を用いたメモリについて、その作製法や適用例を紹介する。 | |
28 | 誘電体メモリ |
強誘電性材料を用いたメモリについて、その作製法や適用例を紹介する。 | |
29 | 赤外線センサと超音波発生 |
誘電性材料の中でも優れた焦電性や圧電性を示す材料を紹介し、それらを用いた赤外線センサや超音波発生器の動作原理を紹介する。 | |
30 | 水素吸蔵合金 |
水素を吸蔵する合金材料を取り上げ、そのエネルギー分野への応用について説明する。 | |
備 考 |
・中間試験を実施する。 ・期末試験を実施する。 |