【 2005 年度 授業概要】
科   目 応用数学 ( Applied Mathematics )
担当教員 末次 武明
対象学年等 応用化学科・4年・通年・必修・4単位
学習・教育
目標
工学系複合プログラム JABEE基準1(1)
A1(100%) (c),(d)1
授業の概要
と方針
3年までに学んだ数学を基礎にして、線形代数、ベクトル解析を主に扱い、基本的な概念や方法をしっかり定着させることを目指す。話が抽象的になりすぎないようにするが、一方で、発展的な事項も適宜補っていく予定である。



1 【A1】  ベクトル、行列の関係を理解し、行列の演算が自由にできる。
2 【A1】  行列の基本変形を理解し、連立方程式の理論に活用できる。
3 【A1】  行列式の意味、性質を理解して行列式の計算ができ、正則性、逆行列などへの応用が理解できる。
4 【A1】  ベクトルの一次独立・従属、ベクトル空間が理解でき、ベクトル空間の基を 求めることができ、次元が理解できる。
5 【A1】  線形写像の概念、行列と線形写像の関係が理解でき、ある基に関して、与えられた線形写像を行列で表現することができる。
6 【A1】  固有値問題を解くことができ、行列の対角化、特に対称行列の対角化に応用できる。
7 【A1】  ベクトルの微分、積分について理解でき、計算できる。
8 【A1】  スカラー場・ベクトル場の概念を理解し、そこでの勾配、発散、回転の概念が理解し、計算できる。
9 【A1】  線積分、面積分の概念を理解し、その計算ができる。
10 【A1】  発散定理、ストークスの定理が理解できる。












1 ベクトル、行列の関係の理解、行列の演算が自由にできることを演習問題と試験で評価する。
2 行列の基本変形の理解、連立方程式への活用ができることを演習問題と試験で評価する。
3 行列式の意味、性質の理解、行列式の計算ができること、正則性、逆行列などへの応用への理解を演習問題と試験で評価する。
4 ベクトルの1次独立・従属、ベクトル空間の理解、ベクトル空間の基を求めること、次元の理解を演習問題と試験で評価する。
5 線形写像の概念、行列と線形写像の関係の理解、ある基に関して、与えられた線形写像を行列で表現することができることを演習問題と試験で評価する。
6 固有値問題を解けること、行列の対角化、特に対称行列の対角化に応用できることを演習問題と試験で評価する。
7 ベクトルの微分、積分の理解、計算ができることを演習問題と試験で評価する。
8 スカラー場・ベクトル場の概念の理解、及び、勾配、発散、回転の概念の理解、計算ができることを演習問題と試験で評価する。
9 線積分、面積分の概念の理解、計算ができることを演習問題と試験で評価する。
10 発散定理、ストークスの定理の理解を演習問題と試験で評価する。




各到達目標は、単元毎と随時の演習問題と中間・定期試験成績により評価する。演習問題を30%、中間・定期試験の成績を70%の割合で評価する。
テキスト 「入門 線形代数」三宅 敏恒 著(培風館)
「基礎 解析学(改訂版)」矢野 健太郎・石原 繁 編(裳華房)
参考書 「基礎の線形代数学」村上 正康・佐藤 恒雄・野澤 宗平・稲葉 尚志 著(培風館)
「理工系の基礎数学 線形代数」藤原 毅夫 著(岩波書店)
「演習と応用 線形代数」寺田 文行・木村 哲光隆 著(サイエンス社)
「理工系の数学入門 ベクトル解析」戸田 盛和 著(岩波書店)
「演習と応用 ベクトル解析」寺田 文行・福田 宣昭 著(サイエンス社)
関連科目  
履修上の
注意事項
・時間に余裕がある場合には、発展的な内容を扱う。
・参考書に挙げた書籍は全部買い揃える必要はない。
・3年までの数学I、数学IIで学んだことはこの科目の前提となっているが、随時、振り返って確認もしていく。

【授業計画( 応用数学 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 行列とその演算
行列の定義と演算について確認し、必要事項を補充する。
2 行列の分割
行列をブロックに分けると見通しが良くなり、特に行ベクトル、列ベクトルを考えると便利なことを理解させる。
3 基本変形と簡約な行列
行列の基本変形を確認し、簡約な行列と行列のランクについて説明する。
4 行列と連立方程式
行列のランクと連立方程式の解の関連を理解する。
5 演習
行列と連立方程式についての演習を行う。
6 行列式の定義と性質
行列式の定義といろいろな性質を確認し、必要事項を補充する。
7 行列式の計算
行列式のいろいろな性質を利用して、行列式の計算ができるようにする。
8 行列式の応用
行または列による展開ができるようにし、逆行列やクラーメルの公式などに応用することを扱う。
9 特別な行列式
特別な形の行列式を扱う。
10 演習
行列と行列式について、まとめの演習を行う。
11 ベクトル空間
ベクトル空間の定義と性質を扱う。
12 ベクトル空間の部分空間
ベクトル空間の部分空間について、その定義と性質を扱う。
13 ベクトルの1次独立・従属
ベクトルの1次独立と1次従属について説明する。
14 ベクトルの1次独立・1次従属と行列の関連
ベクトルの1次独立・1次従属と行列の関連について説明する。
15 演習
ベクトル空間の基礎とベクトルの1次独立・従属についての演習を行う。
16 中間試験
 
17 ベクトルの1次独立な最大個数
ベクトルの1次独立な最大個数と行列のランクの関連を説明する。
18 ベクトルの1次独立と正則性の関係
ベクトルの1次独立と行列の正則性との関連について説明する。
19 ベクトル空間の基と次元
ベクトル空間の基と次元について説明する。
20 ベクトルの集合で生成される部分空間
ベクトルの集合で生成される部分空間の基や次元を調べる。
21 演習
ベクトル空間について、まとめの演習を行う。
22 線形写像
線形写像の概念を理解させ、線形変換がその特別な場合であることを説明する。
23 線形写像の像と核
線形写像の像と核について説明し、その性質を調べる。
24 基の変換
基の変換について説明する。
25 線形写像の表現行列
与えられた基に関する線形写像の表現行列について説明する。
26 演習
線形写像についての演習を行う。
27 固有値と固有ベクトル
行列の固有値と固有ベクトルの定義と求め方を確認する。
28 固有多項式と固有空間
固有多項式の性質を探り、固有値に対する固有空間の概念を導入する。
29 行列の対角化
行列が対角化できるための条件を求め、対角化できる場合は固有空間を考えて対角化をするところまで扱う。
30 演習
固有値関連の演習を行う。
31 内積とノルム
ベクトル空間での内積とノルムについて説明する。
32 直交補空間
ベクトルの直交について説明し、部分空間に対する直交補空間を調べる。
33 正規直交基
ベクトル空間の正規直交基とその作り方について説明する。
34 直交行列
直交行列とその性質について説明する。
35 演習
正規直交基や直交行列についての演習を行う。
36 行列の三角化
行列の三角化について説明する。
37 対称行列の対角化
対称行列は直交行列で対角化できることを示す。
38 2次形式
対称行列の対角化の応用として、2次形式とその標準化を扱う。
39 演習
対称行列の対角化とその応用などについての演習を行う。
40 ベクトルの性質
ベクトルの性質・演算を確認する。
41 ベクトルの外積
ベクトルの外積について説明する。
42 ベクトルの微分 (1)
ベクトルの微分について説明する。
43 ベクトルの微分 (2)
ベクトルの微分のいろいろな性質を調べる。
44 ベクトルの積分
ベクトルの積分について考え、いろいろな性質を調べる。
45 演習
ベクトルとその微分・積分についての演習を行う。
46 中間試験
 
47 スカラー場と勾配
スカラー場の概念を導入し、スカラー場の勾配について説明する。
48 勾配の性質
方向微分係数や等位面の概念を導入し、勾配との関連を調べる。
49 発散・回転
ベクトル場の概念を導入し、ベクトル場の発散と回転について説明する。
50 発散・回転の性質
発散と回転の性質を調べる。
51 空間曲線
空間での曲線の表し方を説明し、線積分のための準備をする。
52 線積分
曲線に沿っての線積分を定義し、その性質を調べる。
53 曲面
空間での曲面の表し方を説明し、面積分のための準備をする。
54 面積分
曲面に沿っての面積分を定義し、その性質を調べる。
55 演習
スカラー場・ベクトル場についての総合的な演習を行う。
56 発散定理 (1)
発散定理のための準備をする。
57 発散定理 (2)
発散定理について説明する。
58 ストークスの定理 (1)
ストークスの定理のための準備をする。
59 ストークスの定理 (2)
ストークスの定理について説明する。
60 演習
ベクトル解析についての総合的な演習を行う。


前期・後期ともに中間試験は実施する。
前期・後期ともに定期試験は実施する。