【 2005 年度 授業概要】
科   目 数理統計 ( Mathematical Statistics )
担当教員 秋吉 一郎
対象学年等 電気電子工学専攻・1年・後期・選択・2単位
学習・教育
目標
工学系複合プログラム JABEE基準1(1)
A1(100%) (c),(d)1
授業の概要
と方針
工学の様々な場面で必要な確率分布,統計,及び統計解析の知識を身につけることを目標とする.



1 【A1】  基本統計量の意味と算出方法の理解.
2 【A1】  様々な確率分布とそれに関わる量,独立な確率変数の和に関する定理の理解.
3 【A1】  推測統計学における標本平均,分散,比率に適用される分布についての理解,並びに推定,検定法についての理解.
4 【A1】  推測統計学を基盤とする統計解析への発展についての理解.
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1 平均,分散,標準偏差,変動係数などの意味と算出方法が理解できているか,中間試験で評価する.
2 2項分布,ポアソン分布,正規分布の意味,平均,分散,標準偏差の算出方法,及び標準正規分布の適用について理解できているか中間試験で評価する.
3 母平均/分散/比率の推定,検定に必要となる t/χ2/F分布,及びそれらの利用方法が理解できているか,期末試験で評価する.
4 相関解析をはじめとする基本的な統計解析手法が理解できているか,課題により評価する.
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試験成績を60%,課題提出等を40%程度として評価する.ただし、出席状況の悪いものは不合格とする.
テキスト プリント
「Excelで学ぶ統計解析入門(第2版)」:菅 民郎,オーム社
参考書 「情報理論」:三木成彦,吉川英機著(コロナ社)
関連科目  
履修上の
注意事項
関連科目:確率統計(各科とも本科共通科目)

【授業計画( 数理統計 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 基本統計1
代表値(算術平均,幾何平均,調和平均,最頻値,中央値など),及び散布度(分散,標準偏差,変動係数など)などの基本統計量について再確認する.
2 基本統計2
度数分布,クロス集計を含む,各種の統計量要約グラフを通じ,統計量の表現方法について再確認する.
3 確率密度と確率分布1
2項分布,及びポアソン分布を取り上げ,確率変数と確率分布(密度)について確認する.
4 確率密度と確率分布2
分布の基本形である正規分布に注目し,データX,平均,標準偏差と累積確率pの関係を理解する.また,一般正規分布への標準正規分布の適用方法についても理解する.
5 推測統計学概説1
推測統計学の基礎を解説する.母集団と標本の関係を理解した上で,標本平均の分布に関連するt分布,並びに中心極限定理について学ぶ.
6 推測統計学概説2
第5週に引き続き,推測統計学の基礎を解説する.標本分散に関連するχ2分布について学ぶ.
7 推測統計学概説2(標本比率の分布(F分布),有意確率(P値))
第6週に引き続き,推測統計学の基礎を解説する.標本比率の分布に関連するF分布について学ぶ.また,有意確率P値についても触れる.
8 中間試験
第1回目から第7回目の範囲において中間試験を行う.
9 統計的推定
統計的推定について解説する.信頼水準と信頼区間の関係を理解した上で,具体的な例を通して母平均/分散/比率の推定法について学ぶ.
10 統計的検定1(単一母集団における平均/分散/比率の検定)
統計的検定について解説する.単一母集団を対象とする例を通して,母平均/分散/比率の検定法について学ぶ.
11 統計的検定2(複数母集団における平均/分散/比率の差の検定)
第10週に引き続き,統計的検定について解説する.複数母集団を対象とする例を通して,母平均/分散/比率の差の検定法について学ぶ.
12 相関解析
相関解析の基礎について解説する.数量データとカテゴリデータの組合せに応じて,単相関係数,相関比,独立係数の求め方を学ぶ.
13 回帰分析
第12週に引き続き,相関解析の基礎について解説する.直線回帰式算出の考え方と方法,及び直線回帰の精度を示す決定係数について学ぶ.
14 CS分析
相関解析の応用の1つとして,CS(Customer Satisfacion:顧客満足度)分析について解説する.商品に対する顧客の満足度,重要度(単相関係数)によるCSグラフ,並びに購買促進のための改善度の算出方法ついて学ぶ.
15 多変量解析概説
統計解析手法の基礎に引き続く内容として,多変量解析手法について概説する.重回帰分析,主成分分析の基本的な考え方を紹介する.


・中間試験を実施する。
・期末試験を実施する。