【 2005 年度 授業概要】
科   目 先端バイオ・メディカルサイエンス論 ( Trends in Biological Science and Medical Science )
担当教員 芝崎 誠司
対象学年等 応用化学専攻・1年・後期・選択・2単位
学習・教育
目標
工学系複合プログラム JABEE基準1(1)
A4-5(100%) (d)1,(d)2-a,(d)2-d,(g)
授業の概要
と方針
「遺伝子」をキーワードに基礎生物学、基礎医学分野の最新の知見を解説する。生化学および生物工学で習得した代謝反応や遺伝子組み換えに関する知識を、高次の生命現象に結び付ける。さらに、バイオ・メディカルサイエンス分野における新しい技術やそれに附随する社会的問題について自らの考えをまとめることができるよう、講義毎に演習の時間を設ける。



1 【A4-5】  遺伝情報とその利用について正しく理解できる。
2 【A4-5】  生体内で起きている生化学反応と個体レベルでの疾患について関連づけることができる。
3 【A4-5】  現在用いられている医薬のいくつかについて知り、その作用について正しく理解できる。
4 【A4-5】  バイオサイエンスやメディカルサイエンス分野における現状を知り、科学的、社会的問題点について考察できる。
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1 ゲノム解析の基本技術とその意義について説明できるかを評価する。
2 代謝異常が引き起こす疾患の生化学的メカニズムについて説明できるかを評価する。
3 授業で取り上げた医薬の特徴と薬理作用を正しく説明できるかを評価する。
4 バイオ・メディカル産業における技術について正しく説明でき、問題点についても考察できるかどうかを評価する。
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試験成績80%、レポートおよび授業中の演習20%の割合で総合評価する。
テキスト プリント
参考書 「基礎生化学」:(化学同人)
「ヴォート基礎生化学」:(東京化学同人)
「ハ−パー生化学」:(丸善)
関連科目  
履修上の
注意事項
本講義は生命現象の理解に必要と思われる一般科目の「化学」および「生物」における基礎知識をベースに、分野外の学生にも提供される。応用化学専攻の学
生には、本科における関連科目、生物化学、生物工学、応用微生物を履修しておき、本講義の生化学的、微生物学的バックグラウンドがより深く理解されるこ
とが望まれる。

【授業計画( 先端バイオ・メディカルサイエンス論 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 ゲノムプロジェクト
ヒトゲノムプロジェクトを中心に、ゲノム情報の解析とその利用方法について学ぶ。
2 セントラルドグマ
分子生物学の基本事項を学ぶ。特にセントラルドグマにおける各過程を詳細に考察し、理解を深める。
3 ウイルスと遺伝子
ウイルスの概要について学ぶ。ウイルスの遺伝情報の保存や伝達について理解する。
4 遺伝子組換え技術
遺伝子組み換え技術の基本事項を学ぶ。また、国が定めている安全対策に関する指針についてもとり上げる。
5 遺伝子診断・遺伝子治療
遺伝子診断や遺伝子治療の基本原理について学ぶ。また、現在行われている基礎研究や臨床研究の事例を紹介する。
6 栄養と代謝1
糖質、脂質、タンパク質の代謝機構について学び、それらの異常が引き起こす各種疾患についても理解する。
7 栄養と代謝2
ストレス、老化等の現象を生化学的に理解し、細胞内の代謝異常との関連について考察する。
8 病気のバイオサイエンス1
がん発生の分子メカニズムの基礎について学び、分子および個体レベルでがんに対する基礎知識を深める。
9 病気のバイオサイエンス2
生活習慣病について生化学的視点より原因を考察し、理解を深める。
10 薬のバイオサイエンス1
抗感染症薬、免疫抑制薬の化学構造、薬理作用について学ぶ。
11 薬のバイオサイエンス2
抗がん薬、呼吸器系作用薬、消化器系作用薬の化学構造、薬理作用について学ぶ。
12 脳のバイオサイエンス
脳の成り立ちや、機能についての基本事項を学ぶ。
13 臓器移植・生命倫理
臓器移植の背景と事例を学ぶ。同時に生命倫理に関する様々な見解を知り、生命科学が直面する倫理的問題について考察する。
14 再生医療
再生医療に関する基本事項や応用例について学ぶ。
15 バイオインダストリー
近年の新技術により発展したバイオ産業、医薬品産業等について学ぶ。


中間試験を実施しない。
期末試験を実施する。