【 2005 年度 授業概要】
科   目 数理工学I ( Mathematical Engineering I )
担当教員 八木 善彦
対象学年等 応用化学専攻・1年・後期・選択・2単位
学習・教育
目標
工学系複合プログラム JABEE基準1(1)
A1(100%) (c),(d)1
授業の概要
と方針
本講義では、導入として常微分方程式について簡単に概説し、その後、工学的扱いの基礎となるポテンシャル、振動(波動)および熱伝導(拡散)の現象に関する偏微分方程式を主に取り上げる。それぞれの物理仮定に基づいた方程式の導出、また具体的な工学問題への適用およびその解法について講義する。更に、コンピュータによる数値解析手法について講義する。なお、本講義では例題や演習をできるだけ取り入れた形式とする。



1 【A1】  ポテンシャル、振動(波動)および熱伝導(拡散)の現象に関する偏微分方程式が導出できる。
2 【A1】  変数分離法により偏微分方程式が解ける。
3 【A1】  差分近似とその精度について理解できる。
4 【A1】  数値解の収束性について説明ができる。
5 【A1】  偏微分方程式の差分スキームが導出できる。
6  
7  
8  
9  
10  












1 ポテンシャル、振動(波動)および熱伝導(拡散)の現象に関する偏微分方程式が導出できるかどうかを試験およびレポートで評価する。
2 変数分離法により偏微分方程式が解けるかどうかを試験およびレポートで評価する。
3 差分近似とその精度について理解できるかどうかを試験およびレポートで評価する。
4 数値解の収束性について説明ができるかどうかを試験およびレポートで評価する。
5 偏微分方程式の差分スキームが導出できるかどうかを試験およびレポートで評価する。
6  
7  
8  
9  
10  




1〜5の到達目標について、試験を70%、レポートを30%で評価する。レポートは適宜課す。
テキスト 工系数学講座「応用編微分方程式」: 河村哲也著(共立出版)
プリント
参考書 「物理数学コース 偏微分方程式」: 渋谷仙吉・内田伏一共著(裳華房)
「詳解演習 微分方程式」: 桑垣煥著(倍風館)
「数値計算」: 洲之内治男著(サイエンス社)
関連科目  
履修上の
注意事項
時間に余裕がある場合には、 発展的な話題を扱ったり、コンピュータを利用し実習を行うこともある。
本科での数学I、II 、応用数学、応用物理の内容を基礎とする。

【授業計画( 数理工学I )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 ガイダンスおよび常微分方程式について
本講義のガイダンスを行う。常微分方程式の解法について解説し、計算演習を行う。
2 偏微分方程式について
偏微分方程式について解説し、その解についての性質を理解する。偏微分方程式について解法の計算演習を行う。
3 線形2階偏微分方程式の分類
線形2階偏微分方程式の分類についての性質を理解する。変数変換により標準形に変換する方法を解説し、計算練習を行う。
4 物理法則からの偏微分方程式の導出(1)
1次元波動方程式、1次元拡散方程式、2次元ラプラス方程式を物理法則から導く。
5 物理法則からの偏微分方程式の導出(2)
1次元波動方程式、1次元拡散方程式、2次元ラプラス方程式の解の性質を理解する。
6 変数分離法による解法(1)
座標系の変換とその計算方法について解説し、演習を行う。変数分離法による解法を解説し、計算演習を行う。
7 変数分離法による解法(2)
変数分離法による解法を解説し、計算演習を行う。
8 中間試験
 
9 差分近似とその精度について
差分近似解法について解説し、差分公式の導出を行う。差分公式の精度について解説する。
10 常微分方程式の差分近似解法について
常微分方程式の差分近似解法について解説し、演習を行う。
11 放物型偏微分方程式の解法(1)
1次元放物型偏微分方程式の解法の差分近似解法について解説し、関連する定理および安定性や精度について理解する。
12 放物型偏微分方程式の解法(2)
2次元放物型偏微分方程式の解法の差分近似解法について解説し、関連する定理および安定性や精度について理解する。
13 双曲型偏微分方程式の解法
双曲型偏微分方程式の解法の差分近似解法について解説し、関連する定理および安定性や精度について理解する。
14 楕円型偏微分方程式の解法
楕円型偏微分方程式の解法の差分近似解法について解説し、関連する定理および安定性や精度について理解する。
15 有限体積要素法による解法
有限体積要素法による偏微分方程式の解法について解説し、計算演習を行う。


中間試験は実施する。
期末試験は実施する。