震災記録集のWeb化にあたって

[写真]震災記録集表紙

震災記録集表紙

第6代校長  西 野 種 夫

 阪神・淡路大震災から早くも10年が経とうとしております。未曾有の被害をもたらした震災からの復旧・復興も着実に進みましたが、まだ多くの爪跡が残っているのも現実です。本校では、幸いにして学生・教職員には死傷者がなかったものの、多くの構成員の家屋に大きな被害があり、また学舎にも施設の一部破損や備品の破損など大きな被害を蒙りました。震災直後から、多くの方々からの温かい励ましやご支援をいただきまして、多くのものが復旧し、震災後10年という大きな節目を迎えることができました。

 この震災記録集は、1年後の平成8年1月に、震災での貴重な体験を記録として残し、今後の災害に備えるために発行されました。その後大きな災害もなく順調に10年が経過しました。しかし昨年は災害の多い年で、台風による風水害に始まり、新潟県中越地震、スマトラ沖地震・津波と、国内外に非常に大きな被害をもたらしました。阪神・淡路大震災から10年目を迎える今年、あの震災を風化させることなく、また何時くるかわからない災害に備えるために、いろいろな記念事業が企画されております。本校でも、記念事業の一つとして、震災後に発行された記録集「阪神淡路大震災と神戸高専」をWeb化して、多くの方々にご覧いただけるようにいたしました。

 震災を体験した者として、震災の経験と教訓を風化させることなく、発信し続けることが大きな使命だと考えております。この神戸高専の震災記録集が、本校からの情報発信の一つとして、何かのお役に立てれば幸甚です。