機関別認証評価

機関別認証評価結果を通して見た神戸高専の「教育の現状」

神戸市立工業高等専門学校
機械工学科 学科長 中辻 武
(平成19,20年度教育プログラム委員長)

 標記評価結果を通して見た本校の「教育の現状」について、述べさせていただく前に、 受審側の体制と自己評価書作成日程や評価結果の概要等について記載させていただきます。

 神戸高専教育プログラム委員会は、機関別認証評価を受審すべく、平成19年4月より準備を始め平成20年6月まで、 機関別認証評価に必要な自己評価書を作成しました。その後、平成20年の6月末に、評価をすることを認証された認証評価機関である 「独立行政法人 学位授与機構」にそれを提出し、同年11月に膨大な補足説明資料を提示しながら、校務運営会議のメンバーを主とするも、 学校全体の教職員や学生が関わり実地訪問調査を受け、平成21年3月末に評価を確定していただきました。 その評価結果の主な点を、広く国民に公開されている学位授与機構のホームページから抜粋して下記に記載します。


認定マーク(高専) 認証評価認定書

T 認証評価結果

神戸市立工業高等専門学校は、大学評価・学位授与機構が定める高等専門学校評価基準を 満たしている。

主な優れた点として、次のことが挙げられる。

  • 地域協働研究センターは、地域連携が必要であるという社会認識が深まる前から、 先鞭的に「産学官技術フォーラム」を実施してきた。このフォーラムには産学官の関係者が参加するのみならず、 5年次の学生と専攻科学生がオーラルセッションやポスターセッションで積極的に発表し、学生は、 企業の抱える技術的課題などの討論を通じ自身の実用化研究へのモチベーションを高めている。
  • 教員の教育活動について、学生による授業評価、教員による自己評価、授業公開による教員相互評価、 教職員データベースを用いた評価など多面的な評価システムが確立され、活用されている。
  • 学生が学習のために利用することを十分意識してシラバスを作成し、 シラバスを常に授業の一部として活用している。また、担当教員が作成したシラバスを2人体制でチェックし、 シラバスの作成・活用にPDCAを機能させ、授業の効果を高めている。
  • 就職について、準学士課程、専攻科課程ともに就職率(就職者数/就職希望者数)は極めて高く、 就職先も製造業や技術サービス業などの当校が育成する技術者像にふさわしいものとなっている。 進学についても、準学士課程、専攻科課程ともに進学率(進学者数/進学希望者数)は極めて高く、 進学先も各学科・専攻の専門分野に関連した工学系の大学や大学院となっている。
  • 神戸高専学習支援システムは、学生がオンラインで科目ごとに個々の学習教育目標に対して 各自の達成度を入力できるシステムであり、このシステムを用いて行われる学生による 学習達成度評価の分析に基づいて学生指導も行われている。

 以下は、評価結果を通して見た本校の「教育の現状」です。


 この評価結果は、基準1高等専門学校の目的、基準2教育組織、基準3教育及び教育支援者、基準4学生の受入、 基準5教育内容及び方法、基準6教育の成果、基準7学生支援等、基準8施設・設備、基準9PDCAシステム、 基準10財務、基準11管理運営に沿って記述されています。基準1は最も重要で、 この目的の下に基準2から基準11まで示されており、それらが確実に実施されていることがまず確認され、 とくに優れている点がまとめられています。

 優れている点の第1番目は、基準2教育組織で評価された地域協働研究センター関係の記述です。 地域連携の一つ「産学官技術フォーラム」は、実際技術の産学官における討論だけではなしに、 学生教育に寄与している点が評価されています。このように、本校の地域協働研究センターの活動が、 第三者から高い評価を得ていることは、教職員や学生にとって非常に喜ばしいことであり、 教育・研究・社会貢献を3本柱として、日本一の高専を目指している教職員にとっても、心の糧となるところであります。

 また、「1評価結果」には記載されていませんが、選択的評価事項A(研究)、 B(地域への公開講座やオープンキャンパス等の正規課程の学生以外に対する教育サービス)等も一定の評価を得ており、 「産学官技術フォーラム」がそれらの代表として記載されたと推察しています。

 第2番目は、基準2等で評価された総合情報センター関係です。研究管理やシラバス作成等の教員データベースの構築は、 すべて校務分掌で割り当てられた教員がセンタースタッフとして自前で行っています。その中の、学生による授業アンケート、 それを踏まえた教員による自己評価や授業改善システム等が高い評価を得ています。

 第3番目は、基準5教育内容及び方法で評価されたシラバス関係であり、これも総合情報センターが確立した データベースに基づいて行われています。ここでは、学生が常にシラバスを活用し、 「卒業時や修了時に身につけるべき学力や資質・能力」(学習・教育目標)を認識していることや、 そのシラバスを数人体制でチェックし、PDCAを機能し、授業の効果を高めていることが評価されています。

 第4番目は、基準6教育の成果で評価された、学生のアウトプットの状況です。 卒業・修了後の進路が養成すべき人材像にマッチングしている点が評価されています。

 最後に、第5番目は、基準6教育の成果で評価された、学習支援システムの内容です。 これは、シラバスに記載された到達目標に基づいて、総合情報センターが作成したデータベースに学生自らインプットし、 自己の達成度を確認するとともに、教員も担当科目の学生の達成度を確認でき、 学生の授業アンケート結果に記入する自己評価や改善点の記述の際の資料となるとともに、 授業のスパイラルアップを図るPDCA機能の一つであることが、高い評価につながったものと推察しています。


 以上のように、神戸高専の機関別認証評価結果を通して見た本校の「教育の現状」について記載させていただきましたが、 この結果は、いままでの約60高専の評価の中でも優れたランクに入ると思われます。 施設・設備や財務・管理状況は基準を満たしているとともに、とくに、 地域協働研究センターと総合情報センターの功績は大きく、学校の目的、組織、教育内容、教育支援者、 学生のインプットやアウトプットを充実させるのに、十分に寄与していると考えられます。

 しかしながら、科学技術創造立国を目指している、日本の教育事情は日進月歩です。これに奢ることなく、 今後も両センターの支援を得ながら、真摯に前向きにスパイラルアップを図っていかなければならないと思われます。


学位授与機構の評価報告ページ